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新型コロナウイルス関連の取組の紹介

免疫獲得の目安である中和抗体が知りたい!

 当講座では、新型コロナウイルスに対する免疫について調べています。

 

 ウイルスは、私たちの細胞に感染して増える生きものです。そのために、ウイルスは細胞に付着して細胞の中に入り込まなくてはなりませんが、私たちの体にはそれを邪魔する中和抗体というものを作る免疫の仕組みがあります。通常、中和抗体は、一度感染したりワクチンを接種したりすることで獲得されるものです。しかしながら、新型コロナウイルス感染症では、感染した後やワクチンを打った後に中和抗体ができるのかはっきりとわかっていません。中和抗体があるかを調べるためためには、生きたウイルスを使うのですが、生きた新型コロナウイルスは厳しく管理された施設の中でしか扱えませんので、一般的には調べることができません。

 そこで、シュードタイプウイルスという、外側の殻は新型コロナウイルスですが内側は異なるウイルスという変わったウイルスを作り出しました。外側の殻には、細胞に感染するときにウイルスが使う道具が残っているので、細胞に入っていくことができます。これは協力研究員である谷 英樹(所属 富山県衛生研究所)が長年取り組んできた技術により作製されたウイルスです。シュードタイプウイルスは生きたウイルスですが、新型コロナウイルスとは違って一般的な研究室で取り扱うことができます。

図1.png

 私たちの血液の中に中和抗体があれば、採血した後の血液成分をウイルスを混ぜることで細胞に感染しにくくなります。つまり、その人がこのウイルスへの中和抗体を持っているかどうかがわかるようになります。

感染症がどのように良くなっていくのか知りたい!

 当講座では、新型コロナウイルス感染症の病態について調べています。

 

 ウイルス感染症では、体の中で増えたウイルスは私たちの免疫の力で減少していきます。しかしながら、新型コロナウイルス感染症では、本当にこれまでと同じようにウイルスが減るのか、体のどこにウイルスが入っていくのか、またどう他の人に広がっていくかが完全にはわかっていません。それにむけて、世界中でいろいろな角度から調べられ、少しずつ情報が集められているのが現状です。

 そこで、私たちは流行の最初の時点から感染症科の先生方と協力して、実際にウイルスがどのように変わっていくのかわかるようにウイルス量を測ることとしました。病気の経過と照らし合わせることで、どのようなことが体の中でおきているのかがわかります。周りの人に広げやすいのはどのような場合か、逆に広げにくいほどウイルスが減る時期はいつか、そのようなことがわかってきます。入念に経過を追うことで初めてこのようなことがわかってきます。

成果などは、上記のAMED事業サイトあるいは、Blogでも紹介していきます。

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